日大通信雑記

教員免許の取得のため、日本大学通信教育部(日大通信)の門を初めて叩いたのは2009年の春だった。それから4年ほど経った2013年の10月から、私は再び日大通信に学んだ。

本ブログでは、主に2013年からの学習の記録、思ったこと、感じたことを綴ります。けっこう自分勝手なことも書きますが、何とぞご容赦くださいませ。

言葉を正しく使うということと教員の資質との関係

いささか偉そうな内容になってしまうことをまずご容赦いただいた上で、今回の記事を書き進めていきたいと思う。


皆さんはご自身の出られた学校について、正しい名称で言えるだろうか。


〇〇大学▢▢学部、ここまでなら多くの人が言えると思う。ところが…


たとえば日大通信で英語の教師を目指して学んでいるという人がいたら、その人は正式にはどこの大学のどの学科で学んでいることになるのだろう?


これに関して、私がこれまで見聞きしたことのある呼び方がいくつか存在する。


①日本大学通信学部英文科
②日本大学通信教育学部英文学専攻
③日大通信英文学部
④日大通信英語科
etc…


すでにおわかりの方もいらっしゃるとは思うが、上記のすべてが間違いである。下の2つは明らかに変。では、上の2つはどう違うか。


①日本大学通信学部英文科


この言い方に何の違和感も感じない人は、他者に言葉を教える職業、すなわち国語科や英語科の教員としては心もとない気がする。細かく言うと、「通信学部」とは何を学ぶ学部なのか?と聞かれたら何と答えるのだろうか。無線や電気通信関係の学部と間違える人もいるかもしれない。日大の、通信教育の英文科で学んでいるという意味だと、たいていの大人は気づく。しかし、相手が子供や外国人だったらどうだろう。He/She graduated from Nihon University, the faculty of communication.などと解釈される場合もあり得ない話ではない。


②日本大学通信教育学部英文学専攻


この言い方に違和感を感じない人は、もしかしたら①より重症ではないか(笑)▢▢学部、という言い回しのおかしさは①に通じるものがあるが、言葉の切れ目に対する認識がない、という点で、そもそも言葉への興味自体をほとんど持ち合わせていないのではないかとさえ思ってしまう。


たとえば経済学部ならば、経済/学部。すなわち経済を学ぶ部門ということになる。対して、〇〇大学短期大学部の場合、大まかに分けると〇〇大学/短期大学/部。短期大学の部門ですよ、という意味であって、短期大/学部のように短期大という学問を学ぶ場所という意味にはならない。では、通信教育学部という言葉はどういう分け方をすればいいのか。


通信教育/学部
通信教育学/部
通信/教育/学部
etc


上記で見てきたように、どれも論理的に矛盾することはお分かりだろう。つまり「通信教育学部」などという言葉は成立しないということである。


と、ここまで細かくうんちくを言っておいて今更だが、少しくらい間違っているからと言って、大した問題でもない(笑)要するにわかればいいのだから、だいたい合ってればいいじゃないか。もちろんそのとおりではある。しかし、それはあくまで一般論。もっと言えば、それこそお酒でも飲みながら雑談しているような場面ならそれでいい。


もしも、あなたが採用試験などの面接で、「出身大学と学部学科を言ってください」と聞かれたら、上のように「だいたい合ってる」名称で答えられるだろうか。私ならそんな勇気はない。


正式には「日本大学通信教育部 文理学部英文学専攻」と答えなければならない。特に、直接的に言葉を扱う仕事を希望するなら、このような「大した問題でもない」ことへのこだわりは持っているべきではないかと思う。それらを他者に教えたり、伝えていかなければならないのだから。

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