大学と図書館
最近、ある質問サイトで、日大通信に入学するべきかを迷っているという書き込みを見つけた。その理由は、市ヶ谷のキャンパスには図書館がないから。今更ながらもっともな理由だと思った。現在の校舎に移転前の水道橋時代は、法学部図書館と経済学部図書館が至近距離にあったので、確かに便利だった。調べものはもちろん、試験勉強やリポート作成に集中したい時など、私もよく利用した。
2014年9月から、現在の市ヶ谷キャンパスに移転。旧校舎は法科大学院となった。新校舎は、今風のドライでコジャレた雰囲気を漂わせてはいるが、法科大学院を法学部の近くに置きたいがために、通信教育部を体よく追い出しただけのように思えてならない。
話を戻して、先ほどの質問の件。日大通信といえば、通信教育を行っている大学としてかなり長い歴史がある。また、通信教育部として独自に校舎、教授を揃えている点も、他大学にはない特徴だ。
しかし市ヶ谷移転後は、立地的な利便性やスクーリングの充実化といったハード面ばかりに力を入れ、肝心の学問研究という、大学の真髄に関わる部分を軽視してきたのではないか。それが、この質問の投稿に繋がっているように思う。
例えば、日大通信で唯一卒論が必須となっている文理学部の場合、法学部図書館や経済学部図書館では間に合わないこともあり得るので、結局のところ他の一般図書館、大学図書館、あるいは桜上水の文理学部まで出向くというようなこともあるだろう。
しかしそれは結果論であり、最初から出張ありきの環境にしてしまうのはどうか。「通学できる通信制大学」を、最近はキャッチフレーズのようにしている日大通信だが、そこを売るのなら、図書館も新たに作ってはどうか。通信校舎のあの大型ビルのワンフロアだけ、図書室として改築するのもありだと思う。