日大通信雑記

教員免許の取得のため、日本大学通信教育部(日大通信)の門を初めて叩いたのは2009年の春だった。それから4年ほど経った2013年の10月から、私は再び日大通信に学んだ。

本ブログでは、主に2013年からの学習の記録、思ったこと、感じたことを綴ります。けっこう自分勝手なことも書きますが、何とぞご容赦くださいませ。

言葉の裏を読め!

私は日大通信に2度も在籍しておきながら、資格取得が目的だったため2度とも中途退学した。そのような人間が書くのも説得力に欠けるが、日大通信の入学希望者からよく寄せられる質問を基に、自分なりの答えを探ってみた。


Q 科目修得試験での合格率は低いので、スクーリングを使うほうが良いと大学職員の方に言われました。そんなに大変なんですか?(神奈川県在住Kさん)


大学の職員が、入学希望者にそんなことを言って良いのか?とまず思ってしまったが(笑)


試験での合格率というのは、以前の記事にも書いたように科目によりけりという側面が大きい。参考までに、私が英文学専攻に2年、国文学専攻に2年、計4年在籍した中での、一発合格率(=リポート、試験は再提出、不合格なしの1回合格、スクーリングは所定回数分だけを受講し単位完成)を覚えている限り計算してみた。


リポート

教職 4/6分冊 66.7%

英文 5/6分冊 83.3%

国文 6/9分冊 66.7%


科目修得試験

教職 6/6科目 100%

英文 4/4科目 100%

国文 2/3科目 66.7%


スクーリング1回(通年、併用含む)

教職(実習関係以外)6/6科目 100%

英文 4/4科目 100%

国文 3/3科目 100%


スクーリング必修

教職 3/3科目 100%


スクーリング積み重ね

教職 なし

英文 なし

国文 2/2科目 100%


メディア

教職 1/1科目 100%

英文 なし

国文 なし


こうして振り返ると、リポート一発合格率は、確かに最も低い。特に、分母の大きい国文学系のリポートは、3分冊書き直している。

試験の方に目を向けると、英文、国文を通じて不合格は国文の1科目のみ。今更ながら、まずまずの出来じゃないか?と思ってしまった(笑)


ただ、試験の場合、合格基準がイマイチわかり難いという点がある。今回は全滅かな…と思った試験が、全て合格だったという記憶もある。


大学通信教育のリポートは、出されている課題に「正対」しないと合格は難しい。正対とは、聞かれていることに忠実に答えるということ。これができているリポートは合格し、できていなければ不合格となる。

中には、テキストの内容を要約するだけにとどまらず、自分なりの考察を混ぜていないと合格に達しないものもある。国文学専攻で言えば、国語音声学の分冊2などはそれにあたる。

通信教育未経験の方は、自宅で行うこの作業が、途方もないことのように思えてしまうのではないか。しかし、通学制の大学であっても、週に1度の講義で少しずつ進むので分かりにくいが、実際には指定されたテキストを用いて、同じ事をしているものである。先生とともに読み合わせるか、一人で読むか。これだけの違いしかない。

合格リポートを書くために一番必要なものは、専門的な知識というより要約力だと言える。要約力を向上させるために、例えば新聞記事を読んで、そのニュースのポイントとなる事柄は何か、読書をしながら、その場面で最も強調されているのはどのようなことかを意識しながら読むなど、普段していることの中でもできるものである。


試験は、回ごとに出題範囲がほぼ一定している国語音声学など、レアケースもあるが、概ねはテキストの全範囲から幅広く出されることがほとんどである。では、全く打つ手がないのか?というと、そういうわけでもない。SやAなどの高い評価を狙うのでなければ、少なくとも広く浅く読んでおけばある程度の点数を取れることが多い。


参考までにもう一つ、リポート+試験で取った場合の私個人の成績を、思い出す限り書き出してみる。


スクーリングなしで修得した科目の成績

教職 S0 A1 B2 C3 F0

英文 S0 A1 B1 C2 F0

国文 S0 A0 B0 C2 F1


ここまでさらすのは、少し恥ずかしさもあるが(笑)スクーリングなし、すなわちリポートと試験のみという括りにすると、13科目を受験してCが7個。必死に勉強して受けに行ったはずなのに、試験で高い評価を得るのは非常に難しかった。


ただ、見方を変えると、とりあえず試験を受ければ何とかなっている、ということでもあり、リポートと試験のみでの合格率という意味では、決して低いわけではない。合格率というより、リポート作成や試験に費やす時間と労力をどこまで取れるか次第ではないかと私は思う。


おまけに、スクーリング、メディア授業での成績を振り返ると、このようになる。



スクーリング1回(通年、併用含む)

教職(教育実習関係以外)

S1 A5 B2 C0

英文

S1 A2 B0 C0

国文

S0 A1 B0 C1


スクーリング積み重ね

教職 なし

英文 なし

国文 S0 A2 B0 C0


メディア

教職

S0 A1 B0 C0

英文 なし

国文 なし


お気づきかもしれないが、試験の成績と真逆のような評価になっている。両専攻を通じて、16科目中、A以上の評価を得たものが13科目に上る。何も手前みそで言ってるのではない。個人主観だが、各担当教員のサービス料込みの評価が入っているのではないか、ということである。

スクーリング受講生は、授業料とは別途に1科目あたり10000円、ないし20000円を払って受講している。遠方から、スクーリング期間中は東京に宿を取り、泊まりがけでやってくる学生も少なくない中で、厳しい評価はなかなかしづらいという心理作用も働くだろう。

良し悪しはともかく、高等教育もサービス業化しつつある昨今、学生からの評判が落ちれば自分自身の身にも影響が及ばないとも言い切れない。


冒頭の大学職員の言葉の裏を読むと、このような意味も込められているのではないか。

「リポートと試験で全部取れれば安く済むけれども、お忙しいのにそこまで勉強にかける時間と気力はなかなかないでしょう?お金はかかるけど、スクーリングを使うほうが楽ですよ。」

さしあたり、このような含みがあると思う。

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