日大通信雑記

教員免許の取得のため、日本大学通信教育部(日大通信)の門を初めて叩いたのは2009年の春だった。それから4年ほど経った2013年の10月から、私は再び日大通信に学んだ。

本ブログでは、主に2013年からの学習の記録、思ったこと、感じたことを綴ります。けっこう自分勝手なことも書きますが、何とぞご容赦くださいませ。

現場教員が生徒に学ぶ時

ずいぶんと間を空けてしまったが、私の現在の職場は某都立高校である。昨年はまたしても二次試験の壁に阻まれた。その時点で教員の道は諦めようと思っていたが、最後の思い出にするつもりで、ずっとやってみたかった都立高の臨採にダメ元で応募したら、そのまま採用されることとなった。昨年11月のことである。

これまで公立学校は中学校での勤務経験しかなく、高校はすべて私立を渡り歩いてきた自分にとって、公立高校は初の経験であったが、公立私立を問わず、重要なのは常勤か非常勤ということであろう。生徒との関わり方が全く異なるからである。もちろん、授業が最大の仕事であることに変わりはない。しかし、例えば部活動など、授業以外の関わりによって、授業に影響を及ぼすことも少なからずある。学生の本分は勉強、昔も今もそれは正論である。ただ、多くの生徒にとって、勉強と部活どちらが好きかと仮に聞いたとすれば、前者と答える者はかなりの少数派、というのが現実である。生徒各々にとって、しなければならないからすることと、自分の意志でしていること、この違いは大きい。

好きでしていることに教員が関わっていくことは、ある意味そこにいる生徒たちとも、少なからず共同作業をすることになる。授業で見せる顔以外の一面をお互いに見ることで、見方もまた変わる。一般企業と学校の違いは、このような所にも垣間見ることができる。

先日、吹奏楽部の生徒たちと関わる機会があった。私の担当は別の部活なのだが、授業を受け持っていた吹奏楽部員から、3月に行われる文化部の発表会に一緒に出てほしいと依頼されたのである。しかし、私はバンドを長年やっていたが、吹奏楽部で使うような管楽器の経験はまったくなく、なぜ自分が指名されたのかわからなかった。その理由は、弦楽器として唯一ベースのパートがあり、それを弾いてほしいということだった。

自分が個人的にやってきたことを、初めて学校の中で生かす時が思わぬ形でやってきたのである。

練習に取り組む生徒たちはひたむきである。それを見ていると、期待に応えたいと心底思った。生徒の懸命さと、私の懸命さ。この思いの融合が、新たな何かを生み出すこともある。また一つ、学んだ瞬間だった。

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