日大通信雑記

教員免許の取得のため、日本大学通信教育部(日大通信)の門を初めて叩いたのは2009年の春だった。それから4年ほど経った2013年の10月から、私は再び日大通信に学んだ。

本ブログでは、主に2013年からの学習の記録、思ったこと、感じたことを綴ります。けっこう自分勝手なことも書きますが、何とぞご容赦くださいませ。

危険な選択

質問サイトの投稿より。


>>日本大学の通信に行こうと思ってます。

文理学部の国文学か英文学で迷ってます。

国語は得意科目なので国文学も良いなと思ってて、英語は苦手なんですが興味があって良いなと思ってます。

どっちがいいんでしょうか?>>


またしても、大学通信教育の落とし穴にはまりそうな選択をしようとしている方に遭遇した。どっちがいいでしょうかと言うので、どちらもやめておいた方が良い、としか答えられなかった。


大学で学んだ経験のある方はおわかりと思うが、国語が得意だから、という理由で国文を選ぶことに意味はない。それよりも、作家の誰それが好きで、著作はすべて読破しているとか、言葉の意味や語源について考えるのが大好きで、知識の深さには自信があるとか、そのような方に向いている学問が国文学(国語学)である。

そして英文学に行きたい理由。これは以前取り上げた、私の同級生J君の例と同じように思える。国文学の場合は、高校の国語の成績より、文学作品や言語学への興味の高さがものをいってくるのに対し、英文学の場合は、英語の得意不得意がまず入り口のところでものをいう。外国のことを学ぶのだから、それは当然のことではあるが。


しかしながら、英文学専攻に在籍する方で、英語が苦手と自称する方は意外に多い。個人的にはそのような発言も、卒業率の低さに拍車をかけかねないので控えるべきだと思うが。なぜなら、英語が苦手と言っても、その尺度は人によりけりだからだ。世間一般的にはそこまでではなくても、英文科生のレベルとしては英語力がないだけ、というケースも多々ある。


このような方が、「英語が苦手な私でもできたから大丈夫」などと発言してしまうと、それこそ本当に英語などまともに学習したことさえない人までが真に受けてしまいかねない。そして入学してから、英文学の講義以前に中学、高校レベルの英語さえ理解できないまま、苦痛に堪えきれずいつの間にか姿を消してしまうことも多い。以前の記事に出てきたJ君もそうだった。高校3年の時、J君と私は同じ大学を受験したことがあったのだが、何を隠そう、当時偏差値28という驚異的数字を叩き出したこの私より、試験の得点が低かったのがJ君であった。その後、私もJ君も浪人することになったが、J君は2浪を経ても思うような結果を残せず、日大通信英文科の門を叩いた。その後は以前書いた通りである。


冒頭の質問者の方の投稿に戻すと、英文学に興味がある、という発言と、かつて「英文学が面白そう」と豪語して消えてしまったJ君が、どうしても重なるのである。


もちろん、どの学科、専攻をどのような理由で選ぼうと本人の自由、と言ってしまえばそれまでではある。だが、通学制課程以上に放任される通信教育部では、本気度の高さ、真剣さがそのまま卒業に直結していると言っていい。

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